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遭難大全として



奇跡の生還へ導く人―極限状況の「サードマン現象」

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古今東西のありとあらゆる極限的体験を集めた本。宗教的修行、9.11テロ、戦争、シャクルトンをはじめとする極地探検、メスナーらによる高所登山、クライミング、冒険的航海や飛行、海洋遭難など多様な例を挙げて、人間が絶体絶命の窮地に陥った際に現れて力を与えてくれるという「サードマン」とは一体何かということを考察している。邦題を見ると、神の存在とかそういうこと言い始めそうないかがわしい本か?と勘違いしそうになるが、あくまで、人の脳はそんなものをいったいなぜ、どうやって作り出してしまうのかということを科学的アプローチで探っている。ただ、結局結論ははっきりせず(例えばそのような作用をもたらすものとして、例えばエンドルフィンやアドレナリンといった具体的な体内物質がつきとめられているわけではない)、人間の脳がもつ潜在的な生存能力の一つとして肯定的に評価するに留まっているのはなんだかすっきりとしないが、あらゆる極限的サバイバル談を集めた遭難大全としてはとても面白い。本編では日本人の例は挙げられていないが、訳者あとがきで山野井泰史さんのチョ・オユー登攀や、松田宏也さんのミニヤコンカでの壮絶な生還体験にも触れられている。
by mobydick67 | 2011-03-03 21:51 |

服部文祥はどこへ行く?


服部文祥の狩猟サバイバルを読み終わった。面白かった。サバイバル登山家にあった力みがなくなり、肩の力が抜け、ヘミングウェイを模したと思われる猟を描写する文章にも余裕が感じられる。

これまでサバイバル登山はウルトラ・ライト・ハイキングに通じるものがあると思っていたが、重い銃を持ってゆっくりと慎重に歩を進めるその山歩きは、ULの端緒となったアルパインスタイルではなく、その対極にある極地法に近い方法論のようだ。ただ、本文中のベクトルという言葉を借りれば、垂直、スピードといったベクトルではなく、自然に近づくというベクトルを追求する点ににおいてはやはりレイおじさんのULに通じるものがある。どちらにしても、山を歩くってことは、考えるということにつながるのだ。

ケモノのように山で生きることから、ケモノを狩って生きることへと進化したその思想は次はどこへゆくのだろう?やっぱり次が楽しみだ。

まあ、ヘタレの私にはとても真似などできないが、仕留めた鹿の角つきのお頭を電車に乗って家に持ち帰るエピソードを読んで、山で鹿の角を拾ってそれをザックに外付けして帰ったときのどきどきした気持ちを思い出した。


また先日、奥秩父縦走時に奥多摩で鹿のレバ刺喰ったのはまずかった??(本書中にレバーから寄生虫が出てくるくだりがある・・・)とても旨かったんだけど・・・



何でもいいから、何かにこだわって山を歩きたい、ね。
by mobydick67 | 2010-02-17 18:09 |

服部文祥 生+死=命


少し時間がたってしまいましたが、2月7日朝日新聞朝刊の「異見新言」に服部文祥さんの文が掲載されていました。

「ズルをしない」というキーワードの他に

「生+死=命」

という言葉がでてきます。

生+死=命というフレーズは、エロス(生への欲望)とタナトス(死への欲望)という概念をわかり易く説いたものだと思いますが、じゃあ、生=命-死?? とかいろいろ考えるヒントにもなります。時節柄、入試の小論文問題なんかにもってこいではないでしょうか。

山+本+ロックンロール=命  ・・・ぜんぜんイケてないですね・・・

う~ん、どうも命という言葉は使いづらい・・・人生!とかも・・・

それはともかく、
その他に自然との一体感がサバイバル登山の醍醐味というような主張もありますが、いま読んでいる(なかなか読了しないのですが・・・)Trail Life: Ray Jardine's Lightweight Backpacking(いつのまにかアマゾンでも扱い始めてました)でも、自然との調和、一体感こそLightweight Backpacking の利点であり目的であるということが頻繁に言及されます。岳人の特集記事ではないですが、やはりサバイバル登山とLightweight Backpackingは手段は少し違うかもしれませんが目指しているところは似ているようです。

でも・・・こういう真面目な文章もよいのですが、もっと具体的で下世話な、たとえば失敗談のような話を期待しています・・・・早く次作出してください。
by mobydick67 | 2009-02-13 18:09 |