実は・・・・最近のなんでもかんでも「昭和の」という枕言葉をつけ、「三丁目の夕日」的にあの「時代」を懐かしむような風潮には「私的」にはちょっと辟易してるんですが、昨年出版されたこれだけは別。
私的昭和史 桑原甲子雄写真集 上巻 東京戦前篇 私的昭和史 桑原甲子雄写真集 下巻 満州紀行 東京戦後篇 桑原甲子雄の写真集は、これまで絶版のものも含めクロノジカルに業績を俯瞰するようなものがほとんどなかったけど、これは代表的作品がほぼ網羅された大部二冊。(話はそれるが、彼が街の写真屋として撮った写真を見ることができる一銭五厘たちの横丁 (岩波現代文庫)も、児玉 隆也による控えめながら力強いルポルタージュと併せて傑作) 桑原甲子雄と出会ってしまったのは、1993年世田谷美術館で開かれた桑原甲子雄✕荒木経惟の「ラヴ・ユー・トーキョー」展でのことで、もちろん出会ったと言っても御本人に会ったわけではなく、その頃好きだった荒木経惟目当てで行ったのに、なぜか桑原甲子雄の写真のほうに引き込まれてしまったわけで、上記下巻巻末のおもわず涙が溢れそうになるアラーキーによるクールな後書きで初めて知ったけど、晩年の桑原甲子雄は世田谷の馬事公苑近くに住んでいたようで、ちょうどその頃自分もすぐ隣の砧に住んでいて、馬事公苑あたりはよく彷徨いていたのでどこかですれ違っていたかもしれないと、いまさらながらにどきどきしたり、蛇足ついでに30年近く前東京に出てきたとき最初に住んだ豪徳寺の6畳1Kのアパートのすぐ裏がアラーキーの住むマンションで、商店街や駅を独特の姿勢で歩いていた姿をよく見かけたことを思い出したり・・・・・ で、何が言いたかったのかというと、そんな桑原甲子雄が世田谷美術館に帰ってくるんだなあ、と。 桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年 2014年4月19日~ 6月8日 於:世田谷美術館 #
by mobydick67
| 2014-04-16 17:08
| その他
ろくに山を歩かないまま、いつのまにか春になり、春になったら始まるものもあって、誘っていただき春うらら、ひさしぶりに山を歩いてきた。
2014年4月8日 早起きして途中の駅で拾ってもらって車で西沢渓谷へ。駐車場で身支度して出発。 今回の甲武信小屋小屋開きに備えた偵察山行のメンバーは、ヅメちゃん、イオリさん、Gっちゃん、俺。 徳ちゃん新道から。分岐までは雪もほとんどなく、この日は陽気も良く、汗をかき笑みをこぼしながらの山歩き。 と、油断しているといきなりこんなものに出くわして、春なのにお別れですね。 分岐からスパッツつけて、少し歩いたところからアイゼンもつける。すぐに雪も深くなるが、当分降ってないせいか十分締まっていて歩きやすい。一部メンバーが持参したワカンはどうやら出番はなさそう。 山頂標示版も雪に埋まった木賊山を超えると、久しぶり、4ヶ月ぶりの甲武信岳がどーんと姿を見せて御機嫌よう。 ここから小屋まではあっというま。雪を背負ってどっしり構える甲武信小屋。そういえば「春を背負って」たはずなのに、春をすっとばして高いところに行ってしまった話もあったね。 入り口前の雪をかいて小屋を開け、一休みしたら飲みたいビールも我慢して、雪を掻いたり小屋の中を片付けたり。雪は例年より多いけど、大雪が降ったわりにはそれほどでもなく一安心。まあそうやって、仕事するふりをしているうちに時間もたって念願のビールで乾杯。 あとはストーブに集って、持ち寄った肴をアテに持ち寄った酒をのんびり飲む。里は春でもお山はまだ冬。日が落ちて冷え込んでくる頃には酒もすすみ、話も弾む。 2013年4月9日 日が出てからゆっくり起きだし、昨夜の残りものを混ぜた朝飯をいただいて、ゆっくりコーヒーを飲んでからまた雪かき。 かいてもかいてもいくらかいてもいっこうに減らない雪。ほどほどにしておいて小屋を再び閉めて下山。 この日も快晴、奥秩父西部を一望。ことしのゴールデンウィークはどこをどう歩こうかな。 ぶらぶら下っていると、縦走路と戸渡尾根道との分岐に立つ道標が新しくなっていた。 これまでのペンキの字が薄くなったもののうえに、薄いプラ板に木を模したシートを貼ったものがナット留めされただけ。安っぽい仕様なのは我慢しよう。せっかく加えた英語表記が同語反復的なのも我慢、我慢。でもやたら不必要な情報を盛りこんであるのには閉口。なぜ2000メートルを超える山の上の道標に「道の駅」とか「P」という文字が必要なんだ?「西沢渓谷」だけで十分でしょう。そうじゃなくても、県界尾根上の道が多い奥秩父は、一つのピークにニ県が、ひどいときは三県がそれぞれ勝手に道標を出してたりしてうっとおしいのに!・・・・・・閑話休題。 分岐から先はヌク沢沿いの近丸新道を下る。ここを歩くのは久しぶり。沢の渡渉も問題ない。 沢の左岸の森林軌道沿いの道は気持ちのいい道だけど、谷筋はザレていて悪いところもあるので気をつけながら。 無事下山。 隼温泉でちょっと寄り道。「さくら」を肴にちょっと一杯。 東京より少し遅れてやっと満開になった桜と追いかけるように咲く桃が咲き乱れる里を抜け、少し後ろ髪ひかれる思いで帰路につく。 #
by mobydick67
| 2014-04-14 16:05
| 奥秩父:山歩きと備忘録
ぐだぐだと山も歩かないまま1月が終わり、誘われて2月になってやっと今年初めての山歩き。
今回はここが目的地。 山歩きといっても、飯能からバスで1時間ほど入った名郷からまずは林道歩き。イジル、よっちゃん、つとぴーと。 1時間ほど歩いた林道終点からやっと山道。 谷筋の道には雪がついていて、ところどころ凍っているので軽アイゼンを装着して高度を上げる。 高度を上げる、といっても1時間ほどであっというまに目的地ウノタワに到着。 テントを張り、暖かい陽光を浴びながら乾杯。ちょっと遅くなったけど山の新年会。 日が暮れても飲む。友と山で飲む酒は旨いね。 暗くなり夜も更けてくると、どこからかメラメラと炎があがり、火の粉を浴びながら飲む。 いろいろ・・・いつものように遅くまで。 翌朝ゆっくり目をさますと予報通りの曇天。それぞれゆっくり朝ご飯を食べて、テントを片付け出発。 雲行きが怪しいので北の武甲山のほうに抜けるのはやめて、南の蕨山のほうに尾根をつなぐ。 途中少し降られたけど、すぐに晴れてきた。 長沢背稜の広い背中を後ろから望む。 ひさしぶりの奥武蔵だけど、意外に急な登り下りがあって面白い。昼過ぎには名郷に下山。 途中さわらびの湯で汗を流して、一杯。 バスで飯能に出て一杯、二杯、三杯・・・・・ #
by mobydick67
| 2014-02-12 22:58
| 山歩き
年が明けて日も経ち、ほおっておくと鬼が怒る?ので今年も声をかけていただいて参加した恒例の年末ボッカのことを書いておこう。 2013年12月27日 当初は28日早朝東京発の予定だったけど、今年は雪が多くクリスマス連休の第一次ボッカも小屋までかなり時間がかかったらしく、急遽例年どおり川上村白木屋に前泊することに。夜、宿に到着するとなぜか徳さんが寝てて、ヅメリンと俺はまだ晩飯喰ってなかったので起きだした徳さんと3人でちょとだけ酒。早めに寝たはず・・・ 12月28日 宿で朝飯食べて、身づくろいして宿の前で、車できたKやんとわっきーと合流。 雪の梓川。 車で毛木平に向かったものの、駐車場手前あたりから雪が多く、車を梓山まで戻したり、なんだかんだで出発は8:30。 酒樽、ザックをみんなで交代で持ちながら歩く。歩き初めてすぐにアイゼン。クリスマスボッカのトレースが残っているけど、その上にさらに10~20センチ程度積もっている。今年でこの年末のボッカも4度めだけどこれまでで一番の積雪。 ナメ滝にも雪がたっぷり。 それでも水源までは雪はそこそこで、久しぶりの雪歩きを楽しんだけど、水源からは吹き溜まりもありなんちゃってラッセル。 高度を上げて縦走路との出合い。ここまでくればあともう一息。 最後のひとふんばり。 頂上。 13:30 小屋に到着。 この日は作業はほどほどにして早めに宴会開始。すき鍋を肴に酒、酒、酒・・・人のデポした酒にまで手を出して遅くまで・・・ 12月29日 朝ゆっくり起きて、鍋の残りで作った雑炊いただいて、ゆっくり作業開始。朝は冷え込んで外は-19℃。それでも薪を運んだり、雪をかいたりしていると体もあたたまって汗がにじむ。昼を過ぎると、日帰りの登山客やテント、小屋泊りの人々に混じってS嬢とはるぶーが到着。夜はS嬢が担ぎ上げたあんこう鍋、はるぶーがヅメリンの誕生日を祝ってケーキに舌鼓をうちつつ、はるぶーの落語なんてのも飛び出して、夜は更け、酒はすすむ・・・・ 12月30日 朝ごはんをご馳走になって下山、西沢渓谷、山梨側の道はよく踏まれていて雪があっても快適。 スピードも出て予定より一本早いバスに間に合って、バス停でこれから登るイジルとHピーに会う。 そんなことで今年もこれでよろしくお願いします! #
by mobydick67
| 2014-01-17 15:15
| 奥秩父:山歩きと備忘録
秋はいろいろ忙しくて、さっぱり山には登れないし、いろいろ書いておきたいこともあったのに、一度間があいてしまうと、まあいいか・・・という気持ちも出てきて、随分長いあいだ放置したままにしていたけど、やっぱりこれまでどおり書き殴り続けていきたいので、随分前のことになってしまったけどちゃんと書いておこうと思う。
2013年10月13日 秩父 吉田の龍勢祭り 朝一番の電車で秩父を目指し、西武秩父駅まで車で迎えにきてもらって会場である下吉田の椋神社へ急ぐ。友人の正太郎の属する武甲雲流の桟敷席に席をとってもらった。 三々五々、近所の人、観光客、関係者が会場に集まってまわりが賑やかになりはじめたころ一つめの龍勢の打ち上げ。太鼓の音と口上がスピーカーから鳴り響き、丘の途中の発射塔の龍勢に点火され、シュルルという空気を引き裂く音ともに蛇のような龍勢が青空に駆け上り、軽い花火の破裂音とともに火花、煙、様々な飾りが空いっぱいに広がる。これを朝から酒飲みながらみんなでわいわい言いながら見るのが吉田の龍勢祭り。いいねえ。 武甲雲龍は早めの9:30くらいから打ち上げ。ご好意で太鼓と口上を詠む櫓にも上がらせていただいた。ちなみに口上は雁坂小屋の小屋番もつとめる横田さん。夢いっぱいの口上。 ・・・・・残念ながら今年の武甲雲流は天高く駆け上がることなく打ち上げ失敗・・・半年かけて準備してきたみなさんは、さぞ残念、地団駄を踏み、涙の飲んだことと思いますが・・・・また来年があるさ! 途中あわや山火事かというハプニングもあたりしたけど、秋晴れの空の下のんびりと時間は流れ・・・・ 夜は普段正太郎が働いている牧場直営の焼肉屋ぎゅうやで秩父牛に舌鼓をうち、翌朝は龍勢会場の後片付けを冷やかしに行って、祭り当日は関係者以外近寄れない発射塔を間近で見たり。 そんなこんなで、山歩きに勝るとも劣らない素晴らしい時間を過ごした秋の休日でした。 #
by mobydick67
| 2013-12-19 18:51
| その他
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