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狼男は嘘つき?

ときどきここに読書感想文めいたものを書いているけど、文句なしに面白かったり、目から鱗!みたいな本なら感想も書き易いし、またそうでない本ならわざわざ面白くないと書くまでもないのでほっておけばいいが、そのいずれでもなく、評価の難しい本というのもあって、そういう時は思ったことを書いてみたいけど考えがうまくまとまらないため、取り上げるのを躊躇してしまう。この本もかなり前に読んだけど、評価が難しい一冊。

狼の群れと暮らした男

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内容はズバリ、タイトルどおり。作者の一人ショーン・エリスは田舎で育った幼少の頃から野生動物が好きで、それが高じてイギリス海軍除隊後、アメリカ、アイダホ州の国立公園で一人でオオカミの野生の群れに入って2年も一緒に暮らし、その後その経験を活かして、オオカミの保護、飼育、犬の調教などに携わっている、というお話。


「オオカミと暮らす」と書くのは簡単だけど、実際に檻の中でエリスと野生ではない狼が一緒にいる映像のインパクトはすごい。




で、期待も高まる訳ですが・・・・なぜそもそも野生オオカミの群れに入るなんてことをしようと思ったのか???という読者の疑問に対しては、全体を通して自分自身の孤独な生い立ちとオオカミの群れの生態を重ねることである程度答えているけど、肝心の野生オオカミの群れの中での暮らしについての記述がどうもあいまいで、信憑性に欠けるし、そこからオオカミについてどんな新しい科学的知識が得られたのかということはほとんど書かれていない。せっかく他の誰も真似のできない貴重な体験をしたのに、結果的に単なる奇人伝、自慢話になってしまっているのが残念。狼男の本としては面白いけど、オオカミの本としては物足らない。そのくらいオオカミになりきって、理性を捨てないと狼の群れには迎え入れてもらえないということなのかもしれないが・・・・。ぜひ野生オオカミとの暮らしについて改めてもう一冊書いて欲しい。
by mobydick67 | 2013-03-01 12:07 |
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