狩猟文学マスターピース 服部文祥 編
狩猟サバイバルではヘミングウェイばりのハードボイルドな描写を取り入れ、最近では
「やまかわうみ」 という季刊誌で小説も連載中の服部文祥編集の狩猟文学大全。「マスターピース」の名に恥じない素晴らしい作品群。ほとんどが長い作品からの選り抜きの抜粋で、是非全編を読んでみたいと思わせる名文が揃っている。そして、「デルス・ウザーラ」や本人は狩猟をしなかった星野道夫による狩猟エッセイなど、すでに既読の定番作品が名を連ねるコレクションのなかで、恥ずかしながらこれまでその存在さえしらなかた作品に出会った。
深重の海 津本陽
明治初期、押し寄せる近代化の波のなかで捕鯨を続ける太地の人々の悲劇を、力強い地の言葉をそのまま取り入れて壮大な叙事詩として語りきった捕鯨時代小説。いまから30年以上前に書かれた作品だけど、その強度は衰えていない。感服。
この作品のことを教えてくれた服部文祥に感謝。やはり、服部文祥からは目が離せないな。