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山へ自転車で その3 甲武信ヶ岳~山梨市駅~自宅


2010年9月4日

17:30 甲武信小屋着 。

冷えたビールが旨い。このまま呑み始めたいが、もう暗くなり始めているのでとりあえずテントを設営。Big Agnes Copper Spur UL1。手持ちで一番軽いテント。軽量化のためにインナーを省力してフライとグランドシートだけにしようかと思ったがまだ結構虫がいると聞いていたのでフル仕様で持参。ガイラインや要所々々にリフレクタ素材が使われていて酔っぱらいには心強い。

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ちなみに寝袋はモンベルのダウンハガー サーマルシーツ (昔のジッパーレスタイプ)でマットは同U.L.コンフォートシステムパッド 90 。併せて1kg以下。テントを入れて2kg強。なんちゃってUL。

小屋番づめちゃんが小屋の中で小屋泊まりのお客さんと一緒に飲もうと誘ってくれたので、言葉に甘えて小屋に上がり5人の熟年登山者と飲み始める。その人たちに何で家から自転車で?と訊かれ返答に困る。大先輩に倣って「そこに山と自転車があるから」と煙に巻いてもよいのだが、とりあえず真面目に「やってみたかったから」と答えたがこれも答えになっていないようで、まだいろいろ訊かれたので少し面倒になって「このづめちゃんも去年この小屋から赤羽の自宅まで荒川沿いにボートと徒歩で下ったんだよ」というと矛先がそちらに移ってひと安心だが、やはり同じようになんでまたそんなことを?と訊かれたづめは「だってみんなが山に登るのだって同じだよね」と答えてた。これで話題はお客さんたちの山行の話に移っていった。
 
 正直に言って、今回のここまでの旅程はそんなに面白いものではなかったが、やってみなければわからないことはたくさんある。くだらないことだが、自転車でとろとろ登り坂を走っていなければ、秘宝館の看板も見ることがなかったはずだ。面白いかどうかはやってみてからでないと言えない。その後づめちゃんと取れ込みバーで二人で呑んでいるときも、先日NHKでマッターホルンに登った「ちんた」ちゃんのこと、最近奥秩父で頻発する遭難などを話題にしながら、何であれまずはやってみないとわからないし、それが例え仕事であろうとやったもの勝ち。もちろん遭難などして他人に迷惑をかけるのは論外だが、勢いは大切だし、「慎重な無謀さ」ともいうべきものがないと前には進めない・・・と少しだけ真面目な話をしながら夜は更けていった・・・


2010年9月5日

5:00 外が明るくなってきたのと寒さで目が覚めた。テントの外で13℃。

とりあえずアルコールストーブスタンドDXセットで湯を沸かす。このストーブの扱いにも少し慣れてきた。まずは茶をいれて、残り湯に水を足して再沸騰させアルファ米梅じゃこ飯と具沢山の味噌汁。

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小屋泊まりの客が出発したあともだらだら。バスの時間があるわけでもないし、急いで帰る必要もないので、以前から試してみたいと思っていたアルコールストーブスタンドDXセットのネイチャーストーブ仕様での使用を実験。とりあえず小屋の近くに落ちている小枝をボキボキ折ってつっこみ、そこに樹皮をくしゃくしゃにしたしたものにライターで着火して投入。あっけなく簡単に火は燃え始めた。最初は湯でも沸かそうと思っていたが、づめちゃんが粗びきウインナーを出してきたのでいつのまにかバーベキューモードに。そのうちビールにも手が伸びて・・・・。

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実験どころじゃなくなってきたが、ストーブのほうは上から木を足せばいくらでも燃えるので問題ない。ビールがなくなり焼酎を飲み始めてウインナー一袋なくなる頃にストーブは炭や灰でいっぱいになり一度火が消えてしまった。いつまでも飲んでいるわけにいかないのでラーメンでも食べて〆ようと一度燃え滓を全部出して今度は湯を沸かしてみた。が・・・これはあまりうまくいかない。鍋を載せると蓋をしたような状態になり下から上への空気の流れが滞ってしまうようで、さきほどのバーベキューのときほどは勢いよく燃えない。にもかかわらず、酔っているせいもあって先程のノリで木をたくさんいれると、完全燃焼しない燃え滓でストーブが一杯になってしまった。で、再度ひっくり返してそれを出して着火。づめちゃんは待てなくなって小屋でガスや電子レンジまで使って自分のラーメンを作り始める始末。で、結局たかが500mlの湯を沸かすのに15分以上かかりやっとラーメンにありつけた。鍋をしまうとき煤はともかく樹脂で鍋底が黒光りしていたのにはびっくり。

※ちなみに基本的に小屋のテン場、敷地内は焚き火禁止です。今回は特別に許可(共犯?)をいただいて実験してみました。もしもテン場等でネイチャーストーブ等を使うときは小屋の許可を得ましょう。


で、酒の酔いも覚めて腹ごしらえもできたので・・・12:30 甲武信小屋を出発して下山開始。

巻き道で木賊山は巻いて、近丸新道経由で。それにしてもなぜ「新道」なのか?

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麓はまだまだ夏の匂いと暑さ

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15:30 西沢渓谷着。


道の駅みとみで自転車を回収し、16:00 出発。ここからいっきに山梨市駅まで下る。土曜の遅い時間で道を走る車も少なく快適に飛ばす。最高時速58.7km/hを記録。市街地に入るまでほとんどペダルを踏むことはなかった。

16:50 山梨市駅着。何はともあれ無事到着。もちろん帰路は、電車で輪行。笹子峠を登り、100km以上走って家に帰る余力などどこにもない。自転車を輪行袋にしまって、デポし、駅前のコンビニでビールと乾きものを買って鈍行列車を待つ。


鈍行電車で疲れてうとうとしながら呑む。これもまたよし。

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by mobydick67 | 2010-09-10 21:30 | 奥秩父:山歩きと備忘録
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