タグ:オオカミ ( 12 ) タグの人気記事

狼男は嘘つき?

ときどきここに読書感想文めいたものを書いているけど、文句なしに面白かったり、目から鱗!みたいな本なら感想も書き易いし、またそうでない本ならわざわざ面白くないと書くまでもないのでほっておけばいいが、そのいずれでもなく、評価の難しい本というのもあって、そういう時は思ったことを書いてみたいけど考えがうまくまとまらないため、取り上げるのを躊躇してしまう。この本もかなり前に読んだけど、評価が難しい一冊。

狼の群れと暮らした男

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内容はズバリ、タイトルどおり。作者の一人ショーン・エリスは田舎で育った幼少の頃から野生動物が好きで、それが高じてイギリス海軍除隊後、アメリカ、アイダホ州の国立公園で一人でオオカミの野生の群れに入って2年も一緒に暮らし、その後その経験を活かして、オオカミの保護、飼育、犬の調教などに携わっている、というお話。


「オオカミと暮らす」と書くのは簡単だけど、実際に檻の中でエリスと野生ではない狼が一緒にいる映像のインパクトはすごい。




で、期待も高まる訳ですが・・・・なぜそもそも野生オオカミの群れに入るなんてことをしようと思ったのか???という読者の疑問に対しては、全体を通して自分自身の孤独な生い立ちとオオカミの群れの生態を重ねることである程度答えているけど、肝心の野生オオカミの群れの中での暮らしについての記述がどうもあいまいで、信憑性に欠けるし、そこからオオカミについてどんな新しい科学的知識が得られたのかということはほとんど書かれていない。せっかく他の誰も真似のできない貴重な体験をしたのに、結果的に単なる奇人伝、自慢話になってしまっているのが残念。狼男の本としては面白いけど、オオカミの本としては物足らない。そのくらいオオカミになりきって、理性を捨てないと狼の群れには迎え入れてもらえないということなのかもしれないが・・・・。ぜひ野生オオカミとの暮らしについて改めてもう一冊書いて欲しい。
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by mobydick67 | 2013-03-01 12:07 | | Comments(0)

オオカミの護符が欲しい

オオカミの護符  小倉美恵子

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そのままズバリのタイトル。表紙もカッコいいし、期待して読んだが、中身はあまりピンとこなかった。代々続く農家である川崎市の実家に貼ってあった御嶽山のオオカミの護符を発端に、御嶽神社、秩父の猪狩神社、三峯神社を訪ねてオオカミ信仰を探る過程は面白いし、その土地それぞれの習俗や言葉使いが紹介されているところまではいいけど、そこから筆者が導き出したものが、近代以前の農村文化、里山文化、山村文化の懐古主義的な「昔はよかった」的礼賛に終わっているところは???だし、もったいぶった文体がなんだかまどろっこしい。「ガイア・シンフォニー」とかが好きな人にはお勧めかもしれないが・・・

ともかく、今年こそは三峯神社に行ってみよう。
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by mobydick67 | 2012-01-25 23:18 | おおかみ | Comments(2)

小林茂の秩父三部作 未完の完結編


秩父 山の民俗考古

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分厚い読み応えのある小林茂の遺作。特に圧巻なのは第二部。秩父の民具についての哲学的考察である『「木の股」民具考』、父小林據英の奇石コレクションを起点に様々な事象に思いを馳せる『「自然の取り入れ」についての一考察』、師にあたる直良信夫(明石原人の頭骨の発見者。現在ではそれは原人ではなく新人のものとの見方が有力。秩父多摩丹沢 (1972年)という関東地方の山旅を綴った回顧録がある)の業績と交流を回想しつつ人間と狼の関わりの考古民俗学的に考察していく『人類史とオオカミ、狼習俗と信仰についての断章』。このように私的な事柄を起点に語られた第二部は民俗学術書としては奇異な印象も受けるが、こういう卑近なところから民俗学的想念を広げていく趣向が他に類を見ない力強さを生み出していることは間違いない。ただ資料を収集してまとめただけの本にありがちな、どこの誰が書いたかわからないような薄っぺらさはここには皆無。


掲載されている図版も相変わらず素晴らしい。

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出版準備中に急逝されたせいか、この本の第四部は取材ノートがそのまま掲載されていて、第三部との重複も多く、前作秩父 山の生活文化のような完成度はないが、逆にその未完成さ故に彼の考えていたことの壮大さが浮かびあがってくる執念の一冊。
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by mobydick67 | 2011-06-14 19:14 | 奥秩父:山歩きと備忘録 | Comments(2)

オオカミ、六本木に現わる?

震災もあって、楽しみにしていたシュルレアリズム展になんとなく行きそびれていたけど、少し気持ちも落ち着いてきたし、どうしても見ておきたいものがあったので終了間際に行ってきた。

平日だったので、そんなに混んでいなくてわりとゆっくり見ることができた。芸術新潮の特集で少し予習しておいたが、やっぱり本物はいい。特に本物とか偽物とかということに疑問を投げかけた運動でもあることだし、やっぱり「本物」を見るのは悪くない。


で、どうしても見ておきたかったものですが・・・

ヴィクトール・ブローネル 「狼ーテーブル」 (1939年/1947年)

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そう、狼。が、実物を目にすると意外に小さい・・・何か変だ。プレートには作品名や作者と共に素材が記されているが、なんと「木、キツネの剥製」とある!キツネ??そうか・・・・まあね・・・・リアリズムの超克ってことだから・・・まあ、いいか。ちなみにシュルレアリスム展は会期を延長して5月15日に終了。オオカミもどきのキツネももうパリに帰ったのかな。


それにしてもネオテニー展のときにも結構オオカミをモチーフにした作品が多かったけど、現代美術とオオカミって相性がいいのか?
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by mobydick67 | 2011-05-29 18:31 | おおかみ | Comments(2)

森羅万象

北斎漫画 第二巻「森羅万象」

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森羅万象=The Whole Earth Catalogue





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Hypermagic Mountain / Lightning Bolt

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by mobydick67 | 2011-03-15 22:35 | | Comments(0)

猪も七代目には豕になるよりも狼子野心でいい


動物―日本の自然を伝えることわざ (ことばの民俗学)

動物にまつわることわざや慣用句を集めた本。動物の種別にまとめられている。



狼関係では、

狼子野心

狼と交わる者は吠えるようになる


「狼=野生」でネガティブな意味に使われことが多いようだ。


それ以外に面白いかったものを幾つか。

猫が糞(ばば)を踏む  
 
鹿(しか)の角を蜂(はち)が刺す

鹿の死するや音を選ばず

窮猿林に投じて木を択ぶに暇あらず


犬の身は寒し、猫は暑に三日蒸し
・・・歳をとると犬だって寒さが身に染みる

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えっ??

熊山は黙れ、犬山は呼ばれ

解説で熊のいる山では騒いだほうがよいと訂正されている。猟をするときの話だろうか。




耳の痛いこんなのも・・・

女の足駄にて作れる笛には秋の鹿寄る

男が馬鹿なのは千古不易・・・。
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by mobydick67 | 2011-02-02 18:33 | | Comments(4)

オオカミ、あるいは犬と暮らす


ひさびさに読んだオオカミ関連の本。


哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン

オオカミに関する本は、その野生での生態について書かれた本が多いが、この本は哲学教師である著者がオオカミを犬のように普通に室内で飼った(この言い方には語弊があるかもしれないが、要するに自然に近い放し飼いではなく、ましてや檻に入れた状態でもなく近郊の家で普通にペットの犬を飼うようにして飼ったという意味)体験が書かれている。ちょっといままでにない話。


日本語訳版には写真がないが、洋書の表紙にはそのオオカミ、ブレニンの写真が表紙に使われている。

The Philosopher and the Wolf: Lessons from the Wild on Love, Death and Happiness
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オオカミを一つの種として論じるのではなく、ある個体とパートナーとして一緒に暮らしていくなかで考えた愛、死、幸福をはじめとする様々なテーマに関する考察が綴られている。それらの考察は、オオカミではなくても犬(猫でもかまわないかもしれない)と一緒に暮らしていても日々頭を悩ませるテーマ、すなわち、躾はどうするべきか、食べ物(「餌」)はほんとうにこれでいいのか、性については(例えば避妊手術や「種付け」などについて)?といった身近なことから始まる。またそれらの主題は、オオカミ(あるいは犬)の話だけにとどまらず、そのパートナー(「飼い主」、「主人」?この本を読むと動物との関係を示す言葉に敏感になってしまう)である人(この本では時に「サル」という「代名詞」に置き換えられたりもする)にも同じように自分自身のこととして考えなければならない主題として跳ね返ってくる。このあたりがこの本が哲学しているところで、いわゆる机上の論理の哲学ではない所以だ。そういう意味では最近テレビにまで取り上げられて話題になっているマイケル・サンデルのこれからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学と通じるところもあるかもしれない。

ただこの本で一番大切な主題は「正義」ではなくて、「自由」とは何か、ということに尽きるだろう。オオカミが普通に町で犬のように人と暮らしていくにはオオカミの「自由」はある程度制限されるし、飼い主もかなりの「不自由」と「虚偽」を強いられることになる。では「野生」が自由なのか?犬ならどうなんだろう?人間なら?子供と犬は何がちがうのか?否が応でも考えることになる。

うまく本の内容を伝えることができないのがもどかしいけど、決して真面目くさった本ではなく、オオカミと暮らした体験記としてもとても面白い。


たかがペットかもしれないが、たくさん考えることはある。

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うちのオオカミももう10歳・・・
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by mobydick67 | 2010-09-12 11:50 | | Comments(2)

岳人2009年12月号


最新号の岳人 (2009年 12月号)には秩父ネタが二つ。

一つは連載「山のれじぇんど摩訶不思議」で三峯神社の狼信仰が取り上げられています。オオカミ情報満載。これまであまり真面目に読んだことがなかったが、隅から隅まで読むと結構な量の文字情報がある。オオカミの頭骨にまつわる話とか最後の民話とかとても興味深い。

もう一つは山田哲哉さんの連載「奥秩父 山、谷、道、そして人」で、今月は金峰山が取り上げられています。南面の御室小屋ルートや八幡尾根ルートはまだ歩いたことがないので来年は歩いてみたい。奥千丈岳とあわせたルートを検討中。

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2009年5月金峰山頂上付近



ああそれと山渓でも青柳健二さんのフォトエッセイ「秩父桃源」が連載されていますが、浦和でその写真展が開かれてます。自転車で見にいってみようかな。以前とりあげられていた「龍勢」って実物見てみたい。今年はもう終ったようなので来年かな。これも自転車で行きたいな・・・

そういえば先日知り合った秩父在住のKawakamiさんからいただいた名刺にはこの龍勢のカラー写真が使われていてチョーカッコいい。
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by mobydick67 | 2009-11-19 18:40 | 奥秩父:山歩きと備忘録 | Comments(0)

革命家


奥秩父のある登山口にはこんな看板がある。

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いったいつのものだよ!
それに、24-4649(ツフォーヨロシク)って何だよ!族追っかけてると思考回路も同調するのか?誰かが蹴りをいれたようでぼこぼこになってます。

で、奥秩父のある避難小屋にはこんな看板もある。

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秩父人って駄洒落好き?

まあ秩父ネタはこれくらいにして、秋といえば読書。天気悪くて自転車通勤できないので電車で本読んでます。
タイトルに惹かれ(おおかみ好きなんで・・)読んでみた、狼・さそり・大地の牙
以前読んだ松下竜一の狼煙を見よ―東アジア反日武装戦線“狼”部隊がとても良かったので、関連図書としてこれも読んでみたが、ここで明かされている副題の「35年目の真実」は警察側、報道側の真実でおおかみ、さそり、大地の牙の真実は何一つ明かされていなくて残念。これならば昨年読んだゲバルト時代 SINCE1966-1973 あるヘタレ過激派活動家の青春のほうがぜんぜん良かった。ヘタレにはヘタレなりの矜持があるんだぜ!というスタンスに共感。ゲバ棒ふるうほうには全く共感しないけど。

でもどうせなら「活動家」ではなく「革命家」のほうが良い。「山歩き革命家」とか「自転車革命家」とか「ロックン・ロール革命家」とか。「革命舞踏会」っていうのもいい。ちなみに、「過激派」っていう呼称は一説では電通が考えたらしいけど本当?


で、また秩父看板ネタに戻るが、やっぱりこれでしょ!

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全然わけわかんないけど共感!とりあえず、俺も戦争反対!
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by mobydick67 | 2009-10-08 22:35 | | Comments(0)

またもや上野の杜にオオカミが集う・・・


今日は休みで、息子も部活がなかったので二人で自転車ででかけた。GHISALLO 305 とGIANTのMTBを乗り換えながら目的地上野に向かう。

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途中新宿桂花ラーメンで太肉麺(ターローメン)。夏暑いときでもやっぱりこれは外せない。

秋葉原で少し寄り道。私は会社も近く、よく仕事関係の部材を求めにくるのだが、息子は初めてだったので、ラジオセンターとかメイド喫茶とかを案内(後者は入ってみるかと誘ってみるといやな顔をされた・・・何でも経験だと思うのだが・・・)。


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上野へ。今回の目的は上野の森美術館で開催中のNEOTENY JAPAN (ネオテニー・ジャパン)展。あのとき偶然ポスターを目にして以来気になっていたのだが、もうすぐ終わりそうなので急いで自転車で馳せ参じた。

入場料1000円(成人1名分、中坊の息子は上野の博物館、美術館は基本的にただ、タダ!)を払って、会場に入るといきなりでかいぴかぴかのオオカミがこちらに尻を向けているではないか!タイトル、作者は忘れたがとりあえずつかみはOK,これだけでなんかうれしくなってきた。
高橋さんという精神科医が集めた日本の現代美術作品が展示されているのだが、門外漢の私でも名前を知っていたり、作品を雑誌などで目にしたことのある奈良美智、村上隆の作品もあれば、それ以外に聞いたことも見たこともないような作家の作品がたくさん集められておりとても面白い。

会田誠の「紐育空爆之図」がいい!欲しい!床の間(ないけど・・)に飾りたい!このひと私とほぼ同世代でガンダム好きのようだが、ガンダムにはあまり惹かれなかったが、松本零士のコクピットシリーズを座右の書としガキの頃はプラモデルのゼロ戦でプラモデルの軍艦を爆撃する遊びに明け暮れていた私にもこの作品はグッとくるなあ。この絵の前にいると、

ブロロロ・・・ヒューン・・・ダダダダ・・・・キーーーン・・・ドッカアアアーン!

とか言いたくなってきた。危ない危ない。どうして男の子はセンソーが好きなんだろう。


そしてそれは二階にいた・・・。

衝撃的だった。ポスターやチラシの図案は二つの作品をコラージュして作ったものだったんだ。背景として使われている作品もそばにあったが、何より衝撃的だったのはオオカミのほうだ。あのプロフィールが作品に写真として使われているのではなく、そのままそのものがそこにあった。それもポスターの図案ではそのほんの一部が使われているにすぎない。オオカミは2頭いたのだ!






ジャーーーン!


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小谷元彦 Human Lesson(Dress 01)

(お土産に買った絵葉書より)

これにはほんと驚きました。ロックンロールするオオカミみたいでカッチョいー。これも欲しい。着てみたい。これを着て銀座のクラブとか飲みに行ってさりげなくホステスに脱いだこのコート(いやコートではなくドレスなのでこれを着たホステスになるのか・・・?)を渡してみたい。 

現代美術好きだけでなくオオカミ好きも是非この美術展にいくべきである。オオカミはいまや日本現代美術における重要なモチーフ?である。こんなに上野にオオカミが集ったのはあのとき以来である。必見、NEOTENY JAPAN !7月15日まで!


帰りはこことか寄り道して帰った。

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とりあえずお約束なので・・・

今日の走行距離:40.82km
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by mobydick67 | 2009-07-12 21:25 | おおかみ | Comments(0)