サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・・・

「カリフォルニア・ドールズ」 ロバート・アルドリッチ監督




この映画は中学生の頃、劇場公開時に広島、流川のOS東劇かリッツで見ている。併映が何か忘れたけど確か2本立てで、こちらが目当てではなかったはず。その後吹き替え版だと思うがテレビ放映で再見するまで、最後の決勝戦でドールズが戦う相手がミミ萩原らが扮する日本人レスラーだと思い込んでいたくらいで、中学生当時はおそらく金髪のおねえさんがおっぱいを揺らしながら奮闘するお色気映画程度にしか思っていなかったのかもしれない。その後大学に入ってから、蓮實重彦大先生がアルドリッチを持ち上げていたり、そもそもヌーベルバーグの監督達もベタボメしていると知り、そうかあのお色気映画の監督ってすごいのか・・・と他の監督作も当時はまだたくさんあった名画座や大学の上映会、アテネ・フランセなんかで見て、そうか確かにすごい!とぞっこんになったけど、なぜかこの「カリフォルニア・ドールズ」は劇場で再見する機会がなかった。それを約30年後に再び小さなスクリーン上で見ることができた。

いやあ、大きいなあ、アルドリッチ。巨大。監督本人も実際に巨躯だったらしいけどとにかく大きい。余裕綽々。なんでもあり。金のためなら女を泥まみれにするピーター・フォーク扮するマネージャーも、女の顔に泥を塗られたらだまっちゃいない。その上女に借りた金で賭場で大儲けして、その金でやることもでかい。女も大きいのはおっぱいだけじゃない。勝負の為なら進んで泥を被る。みんな、すべてが大きい。寒々しい曇天下のドサ廻りからネオンギラギラの大舞台へ。いいじゃないか。やっぱり傑作。


この映画を上映中の渋谷のミニシアター、シアターNはこの作品を最後に閉館。あとに別の映画館が入るという話もないらしい。どうもデジタルシネマへの移行という世の流れへの対応に苦慮してのことらしい。100年以上続いたフィルムというメディアからシリコン(?)への移行期のまっただなかにある現在、VPFを始めとする業界全体の新制度はミニシアターには厳しいようだ。ちなみに今回の上映は35mmフィルムによるもの。フィルムのほうがシリコンよりも優れているとは思わないので基本的に移行自体には賛成だけど、フィルムも一つのフォーマットとして残って欲しい。でもゲージュツとはいいつつ、みなさんメシのタネですからね・・・・

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実は、この同じ場所に今の劇場が入る前にあったユーロスペース(現在同じ渋谷の円山町で営業中)でかれこれ20年以上前、学生の頃、3年半ほどアルバイトで映写技師をしてました。当時はまだ1スクリーンで受付の女の子と二人で受付、もぎり、物販もやってました。映写機も長尺のかからないもので、1巻ごとに手動で切り換え。失敗もたくさんしたけど楽しかった。そんな理由もあって、ここで中学生の頃見た「カリフォルニア・ドールズ」を再見し、この作品を最後にあるミニシアターがなくなるというのは個人的にも感慨ひとしお。というか言葉で言い表せないものがあります。
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# by mobydick67 | 2012-11-28 12:12 | 映画 | Comments(0)

ちいさな骨、見つけた


10月に奥秩父主脈の信州側、唐松久保沢を歩いたときに動物の骨が落ちていたので拾ってきた。絶妙なカタチ。

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1年半前に歩いたときに大腿骨らしきものを拾った場所の近くだったから同じ個体のものかもしれない。脊椎の一部というところまでは分かるが、頸椎なのか胸椎なのか?鹿のものなのか、イノシシのものなのかもわからない。拾った場所は禁猟区内だが、なぜ死んだかのかもわからない。この脊椎と肋骨って繋がってるのか?
そういうことを観察、考察するのが科学なんだろうけど、やっぱり骨には科学だけでは割り切れない「何か」があるような気がしてこないでもないから面白い。そもそも骨を見て「美しい」あるいは「気持ち悪い」なんて思うのは人間だけだろう。

そんな骨にまつわるいろいろな観点を上手くまとめた本がこれ。

小さな骨の動物園 (INAX booklet)

中学校のホネ部という部活のお話、標本剥製師のお話など他ではなかなか読むことのできない話題が満載。掲載された写真とそのレイアウトがとても美しい。目次だってこんな感じになる。

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数年前にINAXギャラリーで開かれた同名の博物展の図録も兼ねているようだが、その博物展も是非見たかったなあ。


「ちいさな骨」として魚の骨も紹介されてるので、とりあえず今度秋刀魚を食うときには骨をキレイに残すことから始めてみるか・・・
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# by mobydick67 | 2012-11-19 22:06 | | Comments(2)

鯖缶をボジョレーで

別に新しいものは好きではないし、どーせなら古いほうがいいけど、いただいたので呑んでみた。

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なんだ、美味いじゃないか。


アテは鯖缶とキャベツのトマト煮、チーズ。

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Nina Simone & Piano


昨日街ははざあざあ降りだったけど、お山は雪がしっかり積もったでしょうか・・・・
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# by mobydick67 | 2012-11-18 09:19 | その他 | Comments(0)

シャッフルしたら愛が溢れ落ちてきたよ ・・・

恥ずかしいタイトルですみません・・・・

広島に帰省して、東京に戻る新幹線の車中。後ろの席で小さな子どもが泣いていたり、横でくたびれたサラリーマンが寝ていたり、斜め前で若いカップルがいちゃついていたり。車窓を流れていく曇天の平凡な景色をながら、スマフォに入れた音楽をシャッフルさせてぼんやりと聞いていたら、不意にストーンズの曲が流れてきて、聞き慣れた曲なのになぜかぐいっと惹きこまれた。

Shine A Light Exile on Main Street/ The Rolling Stones


こんなゴスペルはストーンズか神様にしか書けないな。ゲロにまみれて道端で輝く捨てられた安物の指輪のような歌。射抜かれてしまった。すごいねストーンズ。曲が終わって痺れたように放心しているとまた強烈なやつが・・・

To Love Somebody Got Dem Ol Kozmic Blues Again Mama / Janis Joplin


ああ、もう寂しがり屋の愛だらけ、愛まみれ。ジャニスはやっぱりすごいね。本当に無作為?誰か凄腕のDJでも隠れてるんじゃないかとスマフォを見つめているととどめを刺すようになぜかムーンライダースの曲が・・・

B.B.L.B./ ムーンライダーズ

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なんでもありだよムーンライダース、すごいね。愛の三連打、おかまちゃんの愛で打ち止め。



まいったよ、涙がこぼれたきたよ。すごいねシャッフル。
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# by mobydick67 | 2012-11-16 19:35 | ロックンロール | Comments(0)

デリーとラホール

今日は秋葉原に用があったので、お昼はラホールでカレー。

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ここにはデリーの「カシミールカレー」に似た黒いカレー「ブラックカレー」がある。カレーの種類は他にもインドカレーなどがあるけど、ブラックカレーなら辛さ5倍まで無料。ただし1倍が通常のお子様カレー程度の辛さなので、5倍でもそこそこ辛いかなという程度で、カシミールのような暴力性はない。追加料金を払えば100倍(!)まで可能なようだけど、5倍までしか食べたことがないので、どなたか試してみてください。カレー求道精神(?)ではデリーに負けているが、カツカレーやコロッケカレー、唐揚げカレーもあり、リーズナブルな値段で本格的なカレーライスが楽しめる。ただ、揚げ物は最近はやりの安価なカレーチェーンと違って揚げたてだけど、あまり期待しないように。あくまでカレーの添え物として。でも、ここのカレーを食べるとなぜかデリーのカレーが食べたくなってしまう、誘い水ならぬ誘いカレー。



週末はカレー日和

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ちょっと古い本なので、紹介された店のなかにはすでに閉店してしまった店もけっこうあるけど、特筆すべきは著者自身が好きなカレー店のカレーを自分で作るために考えだした、カレールーやカレー粉を使わない、スパイスから作る非公式レシピが掲載されていること。デリーのカシミールペーストのレシピもあります。あの黒さの秘密が解き明かされていて、そこにこのラホールがちょっと絡んでます。
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# by mobydick67 | 2012-11-15 18:54 | その他 | Comments(0)

夜、広島でぶらぶら


所用があり広島に帰省してきました。

2泊3日で、昼はいろいろ用があり天気も今ひとつだったので、自転車でぶらぶらという訳にもいかず、今回は時間が空いている夜に広島の街を少しぶらぶら。

ちょうど街は胡子大祭。

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広島、薬研堀、流川。

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都市の規模以上に大きな歓楽街。ひさしぶりで、不景気で寂れてるかと思ったけど、さすがにスナックの類は減っても、大衆的な飲み屋と下品な店が増えそれなりに盛ってました。

中学生の頃、夜中に何をするでもなく彷徨していて、いろいろあって(あったのではなく、正確には「やらかして」・・・)補導され停学くらったりした懐かしい場所。当時、夜になるとなぜかバニーガールがうろうろしているコーラとかソフトドリンクが飲み放題の大きなゲームセンターがあったり、成人専門を含めオールナイトをやる映画館も数軒ありました。二十年くらい前に仕事で年に数度来ていた頃は、「こしだ」という口が悪いけどやさしいおばあさんが一人で切り盛りするお好み焼屋によく来ていたので、今回探してみたけど場所がうろ覚えで見つかりませんでした。あとで聞くと、もうおばあさんは亡くなって、孫が継いで同じ所でやっているとのことでした。


1軒目は約束があってちょっとした居酒屋で。

牡蠣の殻焼き。

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飯蛸を楽しみにしていたけどまだなくて、出まわるのは12月以降だそうです。ほどほどにして店をでました。


2軒目は一人で鉄板焼「春来」。小学校時代の友達がやっている店です。数年前に同窓会で久しぶりにあって地元の町で飲み歩いた時、広島で店をやってると聞いていたので一度来ようと前々から思ってました。

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一緒に剣道やったり、いろいろいたずらしていた頃はひょろりとしていたのに随分貫禄出てきたなあ。人の事は言えないけど・・・・。

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小奇麗で雰囲気もよく、値段もリーズナブル。お好み焼きはやってないけど、肉も海鮮もメニューが豊富。身びいきではなく、料理の腕も確か。鉄板の前に座っていると他の人が頼んだものが目の前で次々と料理されていき、常にいい匂いが漂ってきて、ついつい「俺にもそれちょうだい」・・・・

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驚かせようと何も連絡せずにぶらりと入ったら、流行っていて予約ですでに席は満席、それでもやりくりして鉄板の前の一番いい場所に席を作ってもらい、忙しいのに話につきあってもらって、昔話に花を咲かせ、2軒目だしほどほどにしておこうと思ったのに、料理もうまいしついつい酒がすすみ、一本にしておこうと思ったワインハーフボトルも追加して・・・・すっかり酩酊、実家まで遠かった・・・・


広島に行く事があったら寄ってみてください。俺の友達と言っても特別なサービスはないと思いますが、満足するはずですから、その時は飲み残したボトルに俺の名前を入れておいてもらえると助かります。また行きますから。


鉄板焼き「春来」
広島県広島市中区流川町3-17 TEL:082-542-7555

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# by mobydick67 | 2012-11-11 22:29 | その他 | Comments(4)

奥秩父、晩秋、藪山のバーで・・・

秋も深まり、奥秩父のお山にはもう雪が降ったと聞いたので、友人たちとちょっと藪をこいで人気のないところで宴を楽しんできたよ。

奇しくも「山と溪谷 2012年 11月号の特集は「仲間と山へ」、岳人 2012年 11月号は「藪山岩山読本」だったので、リーダーではなくただの仮設バーのマスターだし藪山岩山ではなくなんちゃって藪山だけど、一応両誌熟読して予習して山渓×岳人コラボ企画に備えたよ。これで「PEAKS」の特集が「山でお酒を」だったら完璧だったのに・・・


2012年11月3日

西武池袋駅でイジル、Hぴー、晴ちゃんと集合し、レッドアロー始発乗って出発。が、小手指あたりで人身事故があり特急が所沢止まりに。ばたばた乗り換えて、なんとか西武秩父についた頃には川又経由中津川行きの始発バスはもう影も形もなかった。ここでよっちゃんと合流し、作戦変更して秩父鉄道で三峰口に向かい、そこから出る中津川行きに乗り満員のバスに揺られて川又に着いたのは、予定から一時間以上遅れて10:30。これは想定外。

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登山口から少し登った尾根に乗る手前の水場「水の元」の水量はちょろちょろ。いつもは登山道に溢れるほど流れているのに、これでは樺避難小屋側の水場で水が摂れるかどうか不安なので、ここから水を担いでいくことに。翌日の昼まで途中水場がないので一人2Lから4Lほど汲んでいっきに荷が重くなる。これは想定内だったけど、想定した以上にみんなの肩に重い荷が食い込んだようだ。


それでも登るにつれ紅葉の秋から冬枯れの初冬へと変化する道を楽しみながら高度を上げ、距離を稼ぐ。奥秩父、それも武州側はとびきりいいね。

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もしも3時半までに登山道から離れる地点に着かなかれば藪はやめて、来た道を戻って樺避難小屋で泊ることにしようと決めておいたけど、みんなよくがんばったね。3:10、登山道を離れて笹薮にとりつく。

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鞍部に出て小ピーク一つ巻いたあとは、針葉樹林の中、尾根を進む。

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16:00目的地、孫四郎天平に無事到着。それぞれ手早くテントを張る。

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さあ、ここからは宴会。持ち寄ったつまみや鍋を肴にさむーい星空の下、盛大に飲む。飲み始めた頃は黄昏ていた人も、酒がまわってくると元気になり、話は弾む。弾みすぎてどこにいくんだろうと不安になるくらい弾む。巨人ファンは優勝のニュースにさらに酔う。マスターとしてたっぷり担いできた酒も気持ちよくなくなり、最後は甲武信小屋御用達のカレールーをたっぷり鍋の残り汁に溶かして作ったカレーラーメンで〆て、ごちそうさま。もう日付が変わる時間が近づいた頃にみんなそれぞれテントに帰って、おやすみなさい。気の置けない友とわいわい呑むのはいいね。





2012年11月4日

空が明るくなり始めた頃に起きてそれぞれ朝ごはんを済ませ撤収。

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7:00 出発。藪尾根をつめる。

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7:40 雁坂嶺。日本晴。富士山も南アルプス、なんでも見えたよ。

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ここからはゆっくりごきげんに縦走路を東へ。しつこいけど、奥秩父はいいね。

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北面の道には雪が残っていてすっかり冬気分だよ。

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11:00 甲武信小屋。前夜は小屋泊り100人を超えたそうだ。徳さん、爪ちゃん、今井さんと3人勢揃い。

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テラスで日向ぼっこしながら少し休ませてもらって出発。西沢渓谷へ。黄金色に輝く唐松の紅葉がまぶしい。何度もしつこいけど、奥秩父はいいね。甲州側も捨てたもんじゃないね。

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15:00 無事下山。けっこう疲れたけど、降りたら降りたでなんだか名残惜しいね。

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あとはお馴染みの隼温泉で垢を落として、馬刺しでビール。ニ皿も頼んだのに写真を撮ろうと思っているあいだにみんなの箸が伸びであっというまに・・・

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さらに山梨市駅でわざわざ東京から出てきたツトピーと合流してお馴染みの歩成へ。ここでも煮込みとか馬刺しとか、鳥モツとか、豚カツとか・・・・

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酒はいいね。もちろん、山もいいね。








どっぷりだよ。
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# by mobydick67 | 2012-11-08 23:13 | 奥秩父:山歩きと備忘録 | Comments(6)

奥秩父、ちょっと藪、秋の宴

お店に客が来るので、酒と肴を背負って歩いてきます。

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# by mobydick67 | 2012-11-03 05:50 | Comments(0)

さよなら、若松孝二



若松孝二が逝ってしまったのは、日本映画の周縁部に永久に埋まることない巨大な穴がぽっかりと空いてしまったようでとても寂い。

東京国際映画祭でも急遽追悼上映プログラムが組まれ、実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 が本日(ではなく正確には昨晩)上映されたけど、すくなくともこの作品は若松孝二の撮った映画のなかでは(もろん全部見ているわけではないけど)おせじにも出来の良いものとはいえないし、英語字幕のある作品でなければならないとか、素材調達の問題から上映できる作品が限られるといった色々な事情があるにせよ、もうちょっとなんとかならなかったのかという残念な気持ちが残る。

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せめて、餌食 とか上映して欲しかった。
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# by mobydick67 | 2012-10-27 03:12 | 映画 | Comments(0)

土曜日、小暮理太郎と出会う

2週間ほど前の土曜日。あっぱれな秋晴れ。でも仕事。自転車で出勤。午前中に銀座某所で一仕事終え、午後の仕事まで少し時間があったので、銀座地下街でカレーライスを喰ったあと御茶ノ水へ。喫茶穂高で珈琲。ここはトースト以外にも食べ物出してくれたらいいのに・・・・

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穂高を出て、数軒隣の古本屋の覗いてみた。ここは山岳書のコーナー充実しているので電車通勤のときは帰りによく寄る。おおよそ見慣れた本ばかりが並ぶ棚に、ビニールで包まれた見慣れない本に目が止まった。

山の憶ひ出〈巻1-4〉―木暮理太郎全集 (1948年)

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ずっと前から読んでみたかった本だ。平凡社から出た復刻文庫版でさえすでに絶版で、妙な高値がついていてなんとなく購入しづらかったが、これは4巻揃いでも復刻版上下2巻を古書で買うよりもずっと安かったので迷わず購入。こんな好天の土曜に仕事に出たご褒美。


午後は駿河台のアテネ・フランセ文化センターでお仕事。

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この週は15年ぶりくらいに毎日午後からここでお仕事。懐かしい。アナログとデジタル。レイド・バックな時間とコージーな場所。


夜、家に帰ってゆっくりと小暮理太郎を堪能。一緒に奥秩父を歩きまわった田部重治よりも乾いたシンプルな文体が清々しい。



なんだか思わぬ拾い物をした土曜日。
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# by mobydick67 | 2012-10-25 02:56 | | Comments(2)

奥秩父の裏側を歩く 2

2012年10月7日

夜半にはかなり降っていた雨も朝には小雨になった。

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早起きして朝食を済ませコヒーを啜りながら、雨の中の撤収を躊躇っていたが、ラジオで天気予報を聞いても朝のうちは止みそうもないので出発することに。6:15 出発。雨なのでカメラはRX100 はジップロックに入れてザックのなかにしまい、スマフォ(104SH )で代用。

今日はこの唐松久保沢を源頭までつめる。

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次第に狭くなり斜度も増す谷を30分ほど辿ると、水が岩の下に伏流する源頭と思しきところに着いた。

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源頭部を乗り越すと上には幅20m、高度30mほどのガリー。これは1/25000地形図にもよく目を凝らし見ると棒線で記されている。帰宅後調べたところ正式には「雨裂」記号というようだ。左側の樹林との縁を登る。

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ガリーを越え、苔むしたシラビソ林のなかを天竺平から富士見に連なる尾根を目指してつめる。

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が、あと尾根まで高度にして2、30mというところでしっかりとした杣道にぶつかった。道は尾根の下を稜線と平行するように続いている。

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せっかくなのでこれを富士見のピーク、南東方向に進む。しかしいくら進んでも道はいっこうに尾根に乗る気配はなく、かといって縦走路と交差するでもなくなんとなく縦走路の下を平行するように国師ヶ岳、南南西に方向を変え、そのうち下り始めた。

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途中に古い杭も残るが、道も途切れぎみで藪が濃く怪しくなってきたので見切りをつけて、来た道を戻ることに。

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少し戻って適当なところでやっぱりいつものように幼木の藪につっこんで登りつめると・・・

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8:10、主脈縦走路に出た。ここから富士見まで5分ほど。

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あとは歩き慣れた縦走路を進み、甲武信岳頂上へ。霧の上に頭を出したピークから紅葉が始まりつつある。

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9:20 甲武信小屋。徳さん、ヅメちゃん、今井さんに加え、すーさん、ワッキー、晴ちゃんなど馴染みの顔が・・・

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山旅ロガー、まあまあかな。

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いつもの場所にテントを張って、のんびりしているうちにいつのまにか天場も小屋もお客さんでいっぱいに。この日は小屋には90人近く宿泊したようだ。夜は美味しい酒、肴をご馳走になって遅くまで・・・・

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2012年10月8日

この日もお客さんが出発したあとコーヒーをご馳走になってゆっくり出発。なぜか前日下山予定の晴ちゃんが居残っていたので一緒に下山することに。9:20 縦走路を西へ出発。

秋の奥秩父。

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笹平。昨日までぐずついてた天気も回復傾向。

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今回はゆっくり歩こうと思っていたのに、晴ちゃんはすたすた先を行き、こっちはヒイヒイハアハア言いながらなんとか後ろをついて行く。侮ってました。すみません。

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11:30、雁坂嶺。せっかくなので孫四郎尾根をご案内。

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藪女。えっ、ガール?

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12:00 孫四郎天平。

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ここで昼食をとり一服した後、コンパスと地図を頼りに薄い踏み跡が出てきたり、途絶えたりを繰り返す藪尾根を下る。最後は急な笹薮を下って・・・・

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13:00、登山道に復帰。いつの間にか空模様が怪しくなっている。ここからは再びとばして歩く晴ちゃんに遅れをとらないよう何とかついていく。

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15:00 川又バス停。途中孫四郎尾根で雁坂峠をショートカットしたとはいえ甲武信ヶ岳から5時間40分。恐るべし晴ぶー、じゃなくて晴ちゃん!

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このあとバスを乗継いで秩父に向かう途中、徳さんのお母さん山中時子さんが偶然バスに乗ってきてびっくり。お元気そうでした。また三峰駅で川上さん一家が迎えに来てくれていたのにもびっくり!感謝。


・・・・・ということで、またもや秩父川上家で楽しい時間を過ごし、なんだか浦島太郎なったような気分で亀ならぬレッドアロー終電で秩父を後に・・・・・
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# by mobydick67 | 2012-10-15 22:21 | 奥秩父:山歩きと備忘録 | Comments(4)

奥秩父の裏側を歩く

ここのところせかせかした山歩きばかりだったので3連休、奥秩父の裏側をゆっくり歩いてきた。


2012年10月6日

前夜パッキングに手間取り、遅くまで起きていたせいで眠い目をこすりながら鈍行列車を乗継いで信濃川上に向かう。途中、小淵沢駅で肉そばと稲荷。中央線ホームの丸政はまだ開いていなかったので、駅舎改札前で。

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信濃川上駅からバスに乗ったのは自分の他に登山者二人だけ。11:10、梓山から南へ歩き始める。

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いつもの町田市民休暇村から右の国師方面、南へ向かう。

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カメラはRX100をRAPID R10速写仕様で。使い勝手がよく山でも十分使える。

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国師方面との分岐から左の「山道」、唐松久保沢沿いの昔の姿に戻りつつある林道を東へ。

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道は部分的にしか残っていない。赤テープに従って沢床に降りたり、崩れかかった道に戻ったりしながら沢に沿って遡る。

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唐松久保沢には必要とは思えない堰堤が幾つも続く。道沿いには錆びついたワイヤー、H鋼、空き缶など人の営みの痕が残る。

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ずっと右岸を進むが最後の堰堤は右岸が土崖になっているので、手前で左岸に渡り堰堤を超えると南側からの支流との出合い。ここで赤テープは途絶える。探索していないが、このあたりから尾根に取り付く道があるのかもしれない。

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出合いのすぐ先に10mほどの緩やかな滝。唐松久保沢唯一の滝。右岸を登る。

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滝から先も右岸に林道の痕跡が部分的に残るが歩きにくいところもあるので、渡渉を繰り返しながら歩く。

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右岸側の大きな崩落地を超えたあたりから谷は狭くなってくるので、今夜の幕営地を探しながら歩く。昨年のGWに歩いたときに甲武信、国師間の縦走路へとりつくために樹林帯の藪に突っ込んだところより少し先まで進んだが、結局先ほど目星をつけておいた苔むした沢の左岸の明らかに人の手で開いた幕営適地まで戻りそこにテントを張ることにした。14:40。

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持参したワインを呑みながらゆっくりテントを張り、荷を片づけ、薪を集め、焚き火の準備。

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ダケカンバの樹皮を種火して湿った薪に火がについた頃には、ナルゲンに移して持ってきたワインが空いたので、次の大瓶にも手をつけ煙に燻される・・・・

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チーズや枝を挿して遠火で炙ったウインナーを肴に呑んでいると17:30頃から小雨が降り始め、結局テントに引っ込んで遠目に焚き火を肴に呑みながら、コンロで肴作りに励むことに・・・・

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フィッシュバーガーカレー風味・・・・

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沢音、雨音、Good Music・・・・

Takin My Time / Bonnie Raitt





夜は長い。



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# by mobydick67 | 2012-10-12 01:06 | 奥秩父:山歩きと備忘録 | Comments(2)

混雑を避けて

人気のない所をゆっくり歩いてきます。

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別に鬱ではありません。
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# by mobydick67 | 2012-10-06 05:36 | Comments(0)

古書の秋

新宿歌舞伎町交差点地下で開催中の古書浪漫洲。掘り出し物がいろいろ。

暮らしの手帳 1966冬号。ジャケット買い。でも、かっこいいのは表紙だけではない。中身も文章、編集、デザインが恐ろしいぐらい尖がっていて驚いた。

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野坂昭如の珍本ソングブック。1974年出版。新宿で買うのが相応しい本。

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そういえば復刊したCoyote No.47でも野坂昭如が特集されてます。

本はなるべく買わないようにしているのに、新刊はともかく古書を手に取るとなんだか呼ばれているような気がしてついつい買ってしまう。一期一会。

山岳書、雑誌があまりなかったのは残念。今週末まで。
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# by mobydick67 | 2012-10-05 14:55 | | Comments(0)

RX100用のカメラケース

新調したデジカメCyber-shot RX100にはケースが付属していない。別売りでおしゃれな純正専用皮革製ケース・ストラップが売られているけどいいかげんなデジカメならもう一つ買えそうな値段がついているし、皮だと山で気軽に使えない。いろいろ物色してみたが、RX100は微妙に奥行が厚いためなかなかサイズ的にぴったりのものがなく、デザインも気に入るものがない。とりあえずはなぜかほぼサイズがぴったり(ぴったりすぎて出し入れするときに少し面倒。ダブルジッパーにしてくれればケースとしてはほぼ問題ない)の100均のもので間に合わせていろいろ探して、ようやく満足のいくものが見つかった。

ブラックラピッド SNAPR10/スナップR10 バッグ&ストラップ

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ケース、ショルダーストラップ、ハンドストラップ、それらをカメラにつけるための三脚ネジ穴用取り付け金具からなるコンデジ用汎用速写セット。ストラップは厚さは薄め幅15㎜で統一されていて必要十分。


ケースはちょっと大きめだけど、しっかりしていて山でも使えそう。裏にはベルトループもあり、ストラップ用のバックルは使わないときには隠せる仕様。防水ではないが、中の小さなポケットにカメラだけが入る大きさのジプロックを入れておけば問題ない。

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ストラップの装着に三脚穴を使うためカメラが自立しなくなるけど、簡単にタイマー撮影するときはRX100なら天辺もフラットなのでひっくり返して置けばいい。

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よく練られた商品で、4つのパーツをいろいろ組み合わせることで、3種類の使い方ができる。

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コストパフォーマンスもいいし、変な話、カメラそのものよりもモノとしての完成度がずっと高く大満足。



本郷

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# by mobydick67 | 2012-10-05 14:38 | 道具 | Comments(0)

愛してるよ、きぬや


あのかたこのかたを真似て、寒くなって温かい蕎麦の季節が来る前に私のお気に入りのことも書いておこう。

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「きぬや」は千代田線の湯島駅とJR御徒町駅のちょうど中間くらにある駅から離れた立ち食い蕎麦屋。サッシの引き戸を空けて中に入るとすぐにカウンター。椅子のある席とあわせても5、6人もはいれば身動きが取れなくなってしまうよう小さな店。カウンターの中にはいつも年配のご主人と奥さん。メニューはカレーと蕎麦、うどん。いつもたいてい揚げ物の乗った蕎麦とおにぎりを頼む。この日は春菊天蕎麦と稲荷。

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かき揚げを箸でそっと上げるとそのかき揚げに隠れるように揚げやコロッケ、カツを切ったものが二つ三つ添えられている。コロッケが半分入っていることもある。これは別に常連だけへのサービスではない。初めて入ったときから変わらない定番サービスだ。熱々のつゆは甘さが控え目で最後まで飲み干せる。


蕎麦屋、なかでも立食い蕎麦屋は元祖ファストフードだから、頼んだものがさっと出てきて、さっさと食べて、食べ終わったらさっさと店を出るのが作法かもしれないけど、ここは違う。もちろん頼んだものは手際よく調理されてすぐに出てくるけど、天井近くに置かれたテレビを見たり、常連さんと店主たちの話に耳を傾けたりしながらゆっくり食べて、食べたあとも楊枝を使ったり、水を飲んだり、時には煙草を吸ったりしながら少しだけ長居する、いやそうしたくなるようなゆったりとした時間が流れるそんな立ち食い蕎麦屋だ。






愛してるよ、きぬや。
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# by mobydick67 | 2012-10-01 18:48 | 雑感 | Comments(10)

美味しい秋みーつけた

9月になってもいつまでたっても暑い日が続き、もう永遠に秋なんかこないんじゃないかと思っていたけど、10月が近づいてくるとやっぱりいつのまにか朝晩はすっかり涼しくなって、今年も6月から3枚を交代で毎日履き続けたグラミチのショーツをそろそろ箪笥の奥にしまう日が来たことを残念に思いつつ夏にさよならを言うと同時に、日本酒で脂の乗った旨い秋刀魚が食べられる秋にこんにちは!

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DON'T TRUST OVER THIRTY / MOON RIDERS




Everthing is nothing! ベイビー!
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# by mobydick67 | 2012-09-26 23:29 | 雑感 | Comments(4)

角幡唯介はどこへ行く?

探検家、36歳の憂鬱 角幡唯介

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最近コンパでモテない、というたわいもない話から始めて(昔はモテたの?とツッコみたい・・・)、現代冒険論、西丸震也ばりの現代文明論まで語ってしまう大著。特に富士登山の流行から、現代都市生活における身体性の欠如という「病」を自らの冒険に絡めて語った「富士山登頂記」は圧巻。自虐ネタを披露しながら、しっかり大きなテーマを語りつつ、最後に自分の問題として語ることも忘れない周到さが心憎い。さらにこの本では極地に冒険に行くときに救助という退路を断つために、衛星電話や無線を持たないことのみが真の冒険が成り立つ条件ではないかということもほのめかされていて、そのあたりは服部文祥の先祖返り山行に通じるところもあり、もちろん冒険家や登山家ではない僕たち普通の人が山を歩く時にも考えてみたいテーマの一つかもしれない。

・・・・と興の乗った文章にこちらも乗せられてついつい同感、同感と膝を打ってしまったけど、よく考えてみると身体性の欠如は確かに「病」かもしれないけど、そういう病にかかるようになった原因と、僕たち普通の人が住む場所を選べるようになったり、登山をリクリエーションとして楽しんだり、そのなかのごく一部の人が貴族や金持ちでなくても冒険を楽しめるようになった理由は同じもの(=文明の発達)なわけで、100年前には不可能だった、冒険をする、しない、都会に住む、住まないという選択ができるようになっただけましではないか、という意味でちょっと話をまとめすぎ、詭弁かなとも思えてきた。そのへんが「憂鬱」なんだろうけど・・・・。その点では方法論としては愚鈍かもしれないし、文章もそこまで洗練されてないけど、服部文祥のほうが一歩抜きん出ているのではないかとも思った。

でもとても良い本なので特に若い人には是非読んで欲しいなあと思います。

新著アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極も出るようだし、角幡唯介はこれからどっちに行くのかな?楽しみです。
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# by mobydick67 | 2012-09-26 15:54 | | Comments(0)

SONY Cyber-shot RX100はとても持ちにくい・・・

買う前からわかっていたことだけど、RX-100はその出目金コンパクトデザイン故にとても持ちにくい。電源OFF時はまだしも、電源ONにして沈胴式レンズがせり出してくると重心も前のほうにきて余計に持ちにくくなり、いざ撮ろうというときに危うく落としそうになる。とても片手で持つことなどできないので、このままではスナップカメラとしては失格だ。滑り止めの専用のアクセサリーソニー Cyber Shot DSC-RX100用張り革キットがサードパーティーから出てるけど、せっかくの奇形デザインをクラカメ風にしたくないので、実用性が高い汎用のこっちを装着してみた。

フリップバック カメラグリップ G2 FBG2

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誂えたようにぴったり。あと1㎜でも縦が大きいとボディーに刻んである溝にかかってしまう。

これでしっかりホールドできるようになった。あとはこちらの腕次第・・・・





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# by mobydick67 | 2012-09-25 22:16 | 道具 | Comments(0)

歌舞伎町交差点地下はロマンの香り

古本浪漫洲

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10月8日まで、新宿サブナード、ちょうど靖国通り、歌舞伎町交差点の真下でやってます。通勤時にいつもこの上を通るのでちょこちょこ寄ってます。

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値段も手頃な小沢昭一のこれを購入。

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「小沢昭一の独善・極私的カウンター・カルチャー史」。イカした本!
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# by mobydick67 | 2012-09-13 08:45 | | Comments(0)