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地図を縦に読む

地図で読む戦争の時代  今尾恵介

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地図という三次元を二次元に縮小表現したものを、戦争をキーワードに四次元的に読み解いた本。戦争の傷跡、植民地化、戦時改描、軍事施設の変遷など多数の例をあげながら、地図から歴史を読み取っていく。手法としては斬新さはないけど、興味深い事例をたくさんみつけてきてそれらを解読していく手際は見事。軍港呉、広島の原爆、大久野島の毒ガス工場など広島ネタも多い。ちなみに下の写真は小学生の頃、友達の家族と一緒にその大久野島でキャンプしたときのもの。スイカを割りそうなのは俺です。この70年代中頃には国民休暇村としてちょっとしたリゾートになっていた。

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 そういえば、最近地形図から送電線が消えたのも、一種の「戦時改描」か。でも、国が本気で地図に載せたいと思ってるなら、別に電力会社から位置情報の提出を受けなくても、他の建築物同様に航空写真にははっきりと写っているのだから、それから地図におこせばいいだけなんじゃないの?いずれにしろ、地図には製作者である国の意図だけでなく、大企業の意向、あるいはもっと大きな社会状況が反映されるということが再確認できた一件でした。


そんなこんな(?)で、あいかわらず地図と地図に関する情報を収集中。先日は地図センターで地図と一緒にこんなものをゲット。

地図記号手ぬぐい

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350円也(通販でも購入可)。薄くて使いやすい。



 
by mobydick67 | 2012-01-30 17:59 |
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