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奥秩父のこと、あれやこれや・・・

随分山を歩いていないけど、別に山の事を忘れたわけではなく、離れているからこそ余計に思慕が強くなる今日此頃・・・いくつか奥秩父のことを備忘録として記しておく。

まずは私事になるけど、このブログの記事訂正から。昨年、奥秩父の岩屋林道という廃道を歩いたときに岩小屋だと思っていたところが実はそうではなかったという話。
このあたりを頻繁に探索されているhachiさんが、11月上旬にこのあたりを歩かれて真の岩小屋を見つけています。詳細はhachiさんのヤマレコ山行記を参照してください。もう一度歩いてみたいとは思っていたけど、これを読ませてもらってさらにその思いが強くなった。次に歩くときは是非この岩小屋を見つけて泊まってみたいなあ。


次は本の話。
ヤマケイ文庫から奥秩父関係の本が2冊出版された。

覆刻 山と溪谷 1・2・3 撰集 (ヤマケイ文庫)

山と溪谷 田部重治選集 (ヤマケイ文庫)

前者には以前ここでも紹介した山と渓谷 三号 秩父特集が含まれる。80年前の秩父の山歩きを知ることができる大切な資料。田部重治による巻頭エッセイ、原全教による和名倉山山行記などが読める。個人的には三号にも幾つか文を寄せている菅沼達太郎という人が最近気になっている。この人は日本における自転車ツーリングのパイオニア菅沼達太郎と同一人物なのか?
後者は1919年の初版(初版時の書名は『日本アルプスと秩父巡礼』)出版以来何度も再編、再版を重ねている田部重治の古典的名著。ただし、奥秩父に関する文章に限っていえば、わが山旅五十年 (平凡社ライブラリー)のほうが充実している。絶版のようだが古書なら割と簡単に手に入る。山に行く時にポケットにしのばせておくなら新編 山と渓谷 (岩波文庫)のほうが薄くて都合いいし・・・でも、社名の由来でもあることだし、絶版にすることなく版を重ねて欲しいと思います。


最後は地図の話。
山と渓谷、岳人共に2011年11月号は地図読みに関する特集。全体としては「山を読む」という特集名をつけた岳人のほうが読み応えはあったが、地図、特に電子地図の現在、そして未来について書かれた山渓の記事も面白かった。どうも国土地理院で公開している電子地図が変わりつつあるようなので馴染みのある奥秩父で机上検証してみた。正確には現行の新しいほうは電子国土基盤地図、古い方は電子国土基本図版というらしいが紛らわしいので、ここでは新、旧電子地図ということにする。

まずは送電線が表記されなくなったという事について。
以下は昨年秋に歩いた奥秩父金峰山南面の八幡尾根近辺の新旧電子地図。


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実はその時の記事にも書いたけど、チョキから尾根を外れて近くの林道にトラバースした際、いつものことだが読図、進路決めが甘くて違う林道に出てしまい林道を右往左往していたとき結局送電線が現在地特定に役立った(そのときはこの古いほうの地図を1/25000相当にA3出力したものを持参していた)。実は奥秩父で送電線が現在地特定に役立ったのはこのときだけだが、以前はよく歩いた谷川連峰など上越国境あたりでは送電線が現在地特定や山岳同定の役にたった経験が何度かある。山渓には送電線が地図から割愛されることになった理由が記されていたが、本当にそれが理由ならこうして送電線が記載された旧電子地図もいつの日か閲覧不可になるのだろうか?納得いかない。




次は地図から消えたり、新たに記載された道について。

まずすぐに気づいたのは先程も触れた岩屋林道。これが新版では消えた。


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実際歩いても登山道どころか、獣道以下というのが現状なのでいたしかたないか。でも、そもそもここに興味を持ったのはまさにこの電子地図に記されていたことが発端だったので少し残念、そして寂しい。
ちなみに真ノ沢林道も同様に新版では消えてます。



そして西沢渓谷から尾根伝いに甲武信につながる徳ちゃん新道が新版ではやっと記載された。これでこれまでのようにプリントアウトしたものに手描きで描き足す必要がなくなった。


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次は些末なことだけど、甲武信小屋近辺の巻き道。甲武信小屋の前を北に奥の旧便所(現連れ込みバー、ではなくて蓄変電機、薪置き場)のほうに歩いていき太陽発電パネルを超えたあたりに鹿柵とそれを通り抜けるドアがある。このドアを通ってそのまま歩くと頂上を通ることなく甲武信ヶ岳と十文字峠をつなぐ道に出ることができる。


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この甲武信ヶ岳近辺2つの道は、両方とも、当たり前だが、山と高原地図にはずっと前から記載されてきた。この度、晴れてお上から道として認めてもらえたということでしょうか?



でもこうして地図みたり、本読んだりしても満たされないので・・・

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来週あたり一度歩いてこようと思います。
by mobydick67 | 2011-11-27 12:10 | 奥秩父:山歩きと備忘録
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