南の探検 (平凡社ライブラリー (570))
70年ほど前、戦前に行われたある生物学者によるフィリピン・アポ山登頂記。この山の話だけでなく、アフリカ、南米などの当時の探検事情についての話も途中に挟み込まれている。探検物語といえば極地、高所などともに、ジャングルものというジャンルがあるが、幼い頃に某テレビ番組によって刷り込まれた先入観によってジャングル、南方ものというだけで何か胡散臭い印象を受けてしまう。きっとこの本に書かれていることは事実なんだろうけど、語調、文体などの真面目さ故にかえって全部嘘ではないか?蜂須賀という冒険家は本当に存在したのか?などと疑いが深まっていく迷著だ・・・
逆に、少し前に読んだ、
コンゴ・ジャーニーも、同じようにけったいな生き物や人々がたくさん登場する破天荒な物語だが、書き手が科学者のくせにかなりデタラメでいい加減なせいか、かえってそのすべてがリアルに思えるから不思議だ。
Nana Vasconcelos
いくつになっても冒険譚を読むのは楽しい!