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1対1で自然と対峙する


先日テレビで放映された服部文祥のドキュメンタリーはとてもおもしろかったが、何か細切れの映像を性急に繋いだだけで尻切れトンボのように終り、そういう問題の投げ方をするか??という内容だった。彼の自然と「フェア」に向き合いたいという思いは、初めて彼のことを知った視聴者にうまく伝わったのだろうか?私自身は、服部文祥の本や山行記録を初めて読んだときはそういうベクトルがあったか!と、目から鱗が落ちる思いだった。その後も、狩猟という分野へと分け入ることでブレることなく確実に進歩していることを著作を通じて知ることができ、次の山行記や本がとても楽しみだ。

と思ったら、テレビにもちらりと写ってましたが連載が単行本化されたようです。

百年前の山を旅する



でも世の中には(当たり前だが)同じように単独で山に篭って狩猟をしている人は他にもいる。

羆撃ち

著者久保俊治は小さい頃から父の狩猟について歩いたことで、大学卒業後、職業として猟師を選び、北海道で羆や鹿を狩って暮らしている。現在は牧場なども経営しているようだが、この本で語られる70年代、20代のあいだは猟期の間はほとんど単独で山をテントやツエルトで泊まり歩きながら暮らしている。その経験によって研ぎ澄まされた五感が捉えた自然の描写はきらきらとひかっている。またそこから生まれた自然に対する考え方、態度は服部文祥同様に、あるいはそれ以上に謙虚だ。後半は自分で猟犬として育てたアイヌ犬フチとの暮らし、狩り、別れが描かれていて動物記としても心を揺さぶる。

こういう本を読むと、ただ趣味で山を歩く者としても自然に対して謙虚でありたいと思うけど・・・・それは装備をきりつめることかもしれないし、そうではなく自然を甘くみないでしっかりと装備を持って山に入ることかもしれないし・・・・難しいね。


上記の本の表紙に描かれた名犬フチに少し似ていなくもない、うちのお犬様JONIも主人同様、狩猟などとは無縁なのんびりとした暮らしを満喫されています。

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by mobydick67 | 2010-11-02 09:09 |
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