田部重治と田渕義雄
なにか名前の響きがよく似た二人。
奥秩父に惹かれた二人。
明治生まれの英文学者田部重治は、都市生活者として東京に住みながら奥秩父に惹かれ憑かれたように何度も足しげく通っています(遭難騒ぎを起こして丹波に担ぎ下ろされたりもしています)。その山旅は何十年も前の話で、奥秩父も随分変わったかもしれませんが、山行記に出てくる地名は今も馴染み深いものだし、その淡々とした描写から昔の麓の様子、山旅の装備、山での野宿などを想像するのも楽しい。
新編 山と渓谷 (岩波文庫)
わが山旅五十年 (平凡社ライブラリー)
田渕義雄さんの文章を始めて読んだのは、私が山に登りはじめた13,4年くらい前のこと。当時創刊された「Outdoor Equipment」という雑誌に連載されたエッセイに啓蒙され、私は奥秩父に惹かれるようになった。文体もとても新鮮だった。雑誌は廃刊になったがエッセイはまとめられて1冊の本になっています。
アウトドアライフは終わらない
田渕さんのように山の麓で生活することにも憧れます。