冬の甲武信ヶ岳 1&2日目


成人の日の3連休、去年に続き甲武信ヶ岳にチャレンジ。


当初は息子と二人で山行の予定だったが、前々日に息子が膝が痛いと言い出し、9日に病院で検査、オスグッドであることが判明。急遽ソロとなる。当分サッカーも山も無理だな。不憫。
ということで前夜一人用に荷を詰めなおす。テントもVALHALLAかエアライズか迷っていたが、一人ならエアライズ2で十分。夜遅くなっても都内は結構雨が降ってるが、山は当然雪だろう。去年の二の舞か・・・。武者震い?しながら眠りにつく。


2009年1月10日

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電車を乗り継ぎ山梨市駅へ。雲っているが駅周辺にはまったく雪がない。途中の高尾あたりのほうがまだ多いくらいである。バスに乗り西沢渓谷へ。途中だんだん雪が出てきて、西沢渓谷でだいたい15㎝ぐらいの積雪。

装備を整え10:20出発。徳ちゃん新道を行く。先行者がいるようで踏み跡がある。沢沿いの道との分岐点までアイゼンなしで進む。分岐点あたりで雪は30㎝前後。ここでクラッカーなどの行動食を昼食がわりにとる。
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分岐点を越えてすぐ先行者を追い越す。大きなザックを背負った夫婦で朝8:30に西沢渓谷出発し今夜は途中テントを張り明日頂上を目指すという。こんな時期に一人で登る人いるんだ~と言われ、互いに励ました後、先を行かせてもらう。
(追記:帰宅後WEBを見ていてこれがあのテントミータカさんだと判明)
ラッセルというほどでもないがやはりトレースがないところを行くのはシンドイ。登りも急になり高度2000mくらいで積雪は40㎝。2200mを超えると50㎝前後積もっていて結構キツイ。雪も少し降り始めスピードもかなり落ちてくる。
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16:00頃にやっと去年立ち往生した約2400mの縦走路との分岐点に辿り着く。去年はここから木賊山への登りが雪が深くて(胸まで埋まるくらいあった)どうしても登れずやむなくテントを張り翌日下山した。今年も腰の上まで埋まる積雪だが時間をかけながらなんとか木賊山頂上まで登りふきっさらしのザレ場を越えて甲武信小屋に到着したのが17:30。もうほとんど真っ暗になりかけていた。テントを張る余力などなく冬季小屋を使わせもらうことにする。小屋の入り口と冬季部屋にはそれぞれLEDの豆球が灯っていてとても助かった。翌朝確認したがソーラーパネルで発電、蓄電しているようだ。10年くらい前に4月上旬に一度冬季小屋を使わせもらったことがあるがその時とは開放してある部屋が違っていた。一階の広い部屋で普段は食堂に使っている部屋だとおもうが、いつもはテントなので入るのは初めて。小屋番がいるときはテントのくせに、留守のあいだに部屋にあがってしまう自分は少し厚かましいと思い反省。

ワインを乾きものののつまみで飲みながらMSRのWhiper Light Internationalで雪を溶かして湯を沸かす。2人の予定で詰めたまま詰め替えなかったのでホワイトガスはたっぷり1L持参。アルファー米の五目御飯と味噌汁の夕飯。先日Hiker's Depotで購入したオーサワの大豆ミートを味噌汁にいれて食べてみた。代用肉ということだが、歯ごたえのある油揚げという感じで、なかなかいける。かたちがカエルの脚にしかみえないのだが、故意か?酒もあまり持参していないのでほどほどにして寝袋に入ってラジオに耳を傾ける。外は結構吹雪いている。
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寝床は床にMPIのオールウェザーブランケットを半分折りにして敷いた上にマットはProlite4R、寝袋はモンベルのゴアシュラフカバーにスーパーストレッチ・ダウンハガー2。ULGさんが冬季寝床システムを検証中で、そこではどうもシュラフカバーは分が悪いようだが、それはあくまでテント内での話。小屋など湿気の心配のあまりないところでは当然カバーを使ったほうが保温の面でも有利だろう。靴下は予備のものを重ねて2枚履いて、TNFのLWの長下着上下を着たうえに、下はその上にMWの長下着を重ね着し、上はLow Alpineの厚めのフリース、モンベルのU.L.サーマラップパーカを着込み、ネックウォーマーと厚手のフリース帽つけて寝た。さらに沸かした湯をグランテトラ1Lに詰めて湯たんぽにし、丹田には使い捨てカイロを張って寝た。ここまでやると万全で、室内で夜は-13℃、起床時-17℃だったが寒いということはなかった。前述のULGさんのブログで呼気が寝袋を湿らすという指摘があったのでなるべく寝袋に顔をもぐらせないよう寝たが、朝になるとカバー、寝袋とも口に近い縁のあたりがバナナくらいの大きさで凍って硬くなっていた。やはり呼気の湿気はかなり影響大だ。
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2009年1月11日

5:30起床。

寒いが体を起こしてとりあえず湯を沸かす。アルファー米と中華スープの朝飯。食後コーヒーとチョコ。荷造りを済ませ荷物を小屋入り口にデポして6:30に頂上目指して小屋を出発。

小屋から上は雪が少なくかつ締っているため助かる。6:50頂上着。快晴だが風が強く(強風注意報がでている)積もった雪が吹上げられて空中を舞う。八ヶ岳、金峰山の五丈岩、(おそらく?)北アルプスがよく見える。風が強く寒いので頂上とその少し下で何枚か写真をとって小屋へ戻った。
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7:30、荷物を担いで小屋を出発。
ところが昨日自分がつけたトレースは風と新たな雪でほとんど無くなっているではないか!この分岐~小屋間は昨日最もラッセルにてこずったところでもう一度登り直すのはうんざりなので、いちかばちか北面の巻き道に向かってみた。こちらも5,60cmの積雪はあるがまだ木賊山の尾根筋よりはずっとましだった。昨日もこちらを通ったほうが楽だったかもしれない。
縦走路に合流。昨年はこのあたりでテントを張ったが雁坂方面への道は1m前後積雪がありとてもそちら行くのは無理でここから下山した。今年は昨年より少し雪が少なく、なんとかなりそうなので予定どおり雁坂を目指して進む。といっても腰上の雪の中をラッセル。とても時間がかかる。途中賽の河原で海が見えた。これは初めて。
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9:30に破風避難小屋着。中をのぞくと隙間から吹き込んだ雪が一面5cmくらい積もっていた。外のベンチでカロリーメイトなどを昼食代わりに摂る。
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このあとラッセルに苦しめられGWなどの倍以上の時間をかけて進むことになる。

11:30  破風山(2317m)

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15:00  雁坂嶺(2289m)   

15:40  雁坂峠(2050m) 

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16:00  雁坂小屋到着

この日の行動中の気温は-15℃~-5℃前後。
積雪はだいたい40cm~100cm。植生のまばらな樹林帯が吹き溜まりができやすいようで一番雪が深かった。
甲武信小屋~雁坂嶺間はまったくトレースがなく、鹿など野生動物のトレースも少なかった。雁坂嶺から峠までは一人か二人の新しいトレースがあった。雁坂峠近辺は結構たくさん踏み跡があった。

やはりこの日も小屋にたどり着くだけでへとへとでテントを張る余力がなく開放されている小屋を使わせていただく。というよりも、午後はもう疲れて途中テントを張ろうかと何度となく思ったが、小屋まで行けば楽ができるとそればかり考えてラッセルしていた。
また残り少ないワインを飲みながら湯を沸かし、インスタント塩ラーメンに大豆ミートを加えた夕食を摂る。高度を下げたせいで昨日より気温が高く小屋の中で夜-10℃、朝-13℃くらい。窓から月明かりが射してけっこう明るかった。ラジオを聴きながら寝た。
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by mobydick67 | 2009-01-15 18:05 | 奥秩父:山歩きと備忘録 | Comments(4)
Commented by づめ at 2009-01-16 17:32 x
がんばりましたねぇ。
正月以降、たいして降ってないのかなあ。

しかし先日の悪天はまとまった雪になったでしょうね。


私は小屋から降りて風邪を引き、何処へも出ずにギターを弾いていました。


こういう文読むと、行きたくなるなあ…。


ちなみに、他のパーティーがいなければ、避難小屋(解放小屋)内にテントを張るのがおすすめ。

広くて快適だけど、火の気のない小屋は寒いから。
Commented by mobydick67 at 2009-01-17 10:31
づめさんご無沙汰してます。

10年前に以前の冬季小屋使わせていただいた際は、寝袋が貧弱だったので二階でテント張って凍えてました。

今回は常夜灯に心遣いを感じ、非常にありがたく思いました。

風邪お大事に。下界はいろいろ悪い菌が蔓延っているのでお気をつけください。

また春になったら上で会えるのを楽しみにしています。
Commented by テントミータカ at 2009-01-19 20:02 x
戸渡尾根では失礼しました。私達は2200m地点で沈殿しました(笑)。
 翌日もトレースは見事に消されていましたね。小屋ノートで雁坂峠・黒岩尾根の記述を読んで、さらにビックリしました。登りの勢いといい、やはり、凄い方ですね。冬小屋テントは私達もやりますよ、そのためにも普段からテントの床面が汚れないように注意しているし、狭い空間が暖まるのは早いし相当リラックスできます(テント内最低冷え込みマイナス12.8度)。ちなみに私達の二泊三日行程では320gガス缶一個(中身は詰め替えのカセットコンロガス)を使い切りました。
 ・・・翌日に会った単独行氏もそうですが、厳冬期の甲武信岳を歩く人は、やはり只者ではありませんね。
Commented by mobydick67 at 2009-01-19 23:32
テントミータカ様、こちらこそ失礼いたしました。
帰宅後テントミータカさんのブログを拝見したときは本当にびっくりしました!またどこかで会いましょう。
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